20代にコツコツと貯めた軍資金をもとに1999年サーフボードと必要最低限のものをBackpackに積めて世界中の良い波に乗ろうと思って旅にでた。フィリピン、インドネシア、ハワイ、モルジブなど太平洋を中心に7か月間サーフィンを続けていた。サーフィンだけでは物足りずにユタや北海道の山々でパウダーハントもしていた。

旅の途中で友人に勧められてスリランカという国に立ち寄った。ねっとりと絡みつくような温かい空気、口の中が火事になったような辛いカレー、キラキラとした瞳をもつ人懐っこい子供たち。僕はこの国が好きになると同時に不思議と縁（ゆかり）を感じた。ある日、友人になったローカルが「この国にはサーフショップがないから、いつかサーフショップを作りたい」と語った。「この国にサーフショップがないのだったら作ったらそれが第一号ってこと？」と聞き直すと彼は「Yes」と答えた。自問自答を繰り返したが縁とはきっとこの事だと思った。

数か月後の1999年の11月13日、スリランカのサーフィンメッカであるヒッカドゥワのポイントの目の前にサーフショップがオープンした。アルファベットのAの文字のように三角形の波が左右両側にブレイクしていく波を表現してA Frame（A Frame Peak）という名前を付けた。ショップではサーフボードのほかにTシャツやトランクスなどのオリジナルグッズを制作していました。スリランカには世界中からサーファーが訪れる。彼らとの懸け橋になればきっとローカルたちも喜ぶ。当時はそんな思いでスタートしました。